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「遂行」の言い換え

「遂行」は、命じられた任務や定められた職務を、最後まで果たすことを指します。そのため主語は与えられた側に置かれ、自分で決めて始めた取り組みには収まりません。加えて完了までを含む語なので、まだ途中の作業について「遂行してまいります」と書くと、やり切ることを続ける、という意味の重なった形になります。人事評価や職務記述書、契約書に現れる硬い語でもあり、日常のメールでは距離が出ます。

場面で選ぶ言い換え 6選

言い換え相手・場面ニュアンスと使いどころ
実行
標準
社内・取引先計画を実際に動かすこと。着手と実施に重心があり、完了までは含まない
避ける場面:最後までやり切ったことを述べたいとき。始めただけと読まれる
完遂
改まった場面
社内・上司最後までやり切ったこと。完了に重心があり、結果の報告に置ける
避ける場面:途中経過の報告。終わったと誤解される
履行
改まった場面
取引先契約や約束で定めた義務を果たすこと。何を果たすかが文書で特定されている場面
避ける場面:契約に定めのない任意の取り組み。義務があるかのように読まれる
全うする
改まった場面
社内・上司与えられた役割を最後まで果たすこと。任期や職責について述べる場面に合う
避ける場面:個別の作業。人の生き方に近い語感があり、粒度が合わない
推進
改まった場面
社内・取引先止まらないよう前へ進めること。責任者としての役割を表せる
避ける場面:自分が実務を担う場面。旗を振るだけに見える
執行
改まった場面
社内決定されたことを権限に基づいて実施する。予算や役員の職務についての語
避ける場面:一般の業務。権限を行使する含みが強く、大げさになる

そのまま使えるメール例文

契約で定めた内容を果たしたことを、取引先へ伝える

株式会社サンプル商事
田中様

お世話になっております。山田です。

保守契約に定められた年次点検につきまして、実施の完了をご連絡いたします。

点検は9月2日と3日の両日、貴社の第1工場および第2工場にて実施いたしました。
契約書第5条に定める全12項目について確認を終えており、
いずれも基準値の範囲内でございました。

点検報告書を本日発送しております。到着後、ご確認いただけますでしょうか。

社内へ、計画を実行に移す時期と担当を伝える

営業部各位

お疲れさまです。山田です。

期初に策定した顧客訪問計画を、10月から実行に移します。

対象は年間取引額500万円以上の32社で、担当ごとに割り振りを添付しております。
各社への初回訪問は12月末までに完了させてください。
訪問後は所定の様式で記録を残し、月末までに提出をお願いします。

進み具合は毎月の部会で確認いたします。よろしくお願いします。

上司へ、任された役割を最後まで果たす旨を述べる

佐藤部長

お疲れさまです。山田です。

このたびは移行プロジェクトの責任者にご指名いただき、ありがとうございます。

来年3月末の稼働までの7か月間、責任者としての役割を全うしてまいります。
当面は9月中に体制を固め、10月の第1週に全体の計画をご報告いたします。

判断が必要な場面では都度ご相談いたしますので、ご指導のほどよろしくお願いいたします。

取引先へ、途中経過を完了と区別して報告する

株式会社サンプル商事
田中様

お世話になっております。山田です。

移行作業の進み具合についてご報告いたします。

全5工程のうち、第3工程までを完了しております。
第4工程の検証は本日より着手し、9月12日までに終える見込みでございます。
第5工程の本番切替は9月20日の夜間を予定しております。

すべての工程を終えた時点で、完了のご報告を改めていたします。

使わないほうがよい言い換え

置き換えれば丁寧になるとは限りません。次の表現は実際に誤用として指摘されることが多いものです。

業務を遂行してまいります

「遂行」は最後まで果たすことを含む語なので、「してまいります」と継続の形を重ねると、意味が二重になります。加えて、どの業務をいつまでにという中身が書かれていません。職務記述書のように職務の範囲を述べる文書であれば「業務を遂行する」で足り、メールの結びであれば「10月末までに完了いたします」と書くほうが役に立ちます。

職務遂行能力に課題が見られる(評価コメントで)

人事の様式に項目として並ぶことがある語ですが、本人が読んだときに何を直せばよいのかが分かりません。能力の判定として書かれるため、反論もしにくい形になります。「担当案件12件のうち、期日を過ぎたものが4件あった」のように、観察できる事実で書けば、次の期に何をすればよいかが決まります。

遂行いたしました

完了の報告としては使えますが、何をどこまで終えたのかが含まれていません。引き継ぎや監査の場面で、この一語だけが記録に残っていると、実際に何が行われたのかを後から確かめられません。「契約書第5条に定める12項目の点検を、9月3日に完了」のように、対象と根拠と日付を書いてください。

履行(契約に定めのない取り組みに使う)

「履行」は契約や約束で定めた義務を果たすことを指す語です。任意で行っている取り組みに使うと、義務があるかのように読まれ、やめたときに約束を破ったという受け取られ方につながります。契約書に記載のある事項についてのみ使い、それ以外は「実施」「対応」と書いてください。

「遂行」を使った文章を、相手に合わせて直す

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よくある質問

無料で使えますか?

はい。登録もログインも不要で、すぐにお使いいただけます。要約は1日1回、1回あたり5,000文字まで無料です(日本時間の0:00にリセットされます)。参考文献ジェネレーターは回数制限なく何度でも無料でお使いいただけます。クレジットカードの登録は必要ありません。

「遂行」と「実行」はどう違いますか?

含む範囲が違います。「実行」は計画を実際に動かすことで、着手と実施に重心があります。

「遂行」は与えられた任務を最後まで果たすことで、完了までを含みます。

これから始める話であれば「実行」、終えたことを述べるのであれば「完遂」が

それぞれ実態に合います。

「遂行」は社外メールで使えますか?

使えますが、硬い語なので日常のやり取りでは距離が出ます。

契約に基づく業務について述べる場面や、公式な報告書であればなじみます。

通常の連絡であれば「実施いたします」「完了いたしました」で十分です。

職務経歴書に「遂行」と書くのは適切ですか?

使われている語ではありますが、「業務を遂行した」と書いても

読み手には何をしたのかが伝わりません。

「12名の体制で移行作業を統括し、予定どおり3月末に稼働させた」のように、

規模・役割・結果で書くほうが、能力の判断材料になります。

硬い語を選ぶことと、内容が具体であることは別の問題です。

「推進」と「遂行」はどちらを使いますか?

立場が違います。「推進」は止まらないよう前へ進める役割で、旗を振る側に立ちます。

「遂行」は与えられた任務を果たす側の語です。

自分が実務を担うのであれば「遂行」や「実施」、

関係者を動かす立場であれば「推進」がなじみます。

「完遂」は大げさに聞こえませんか?

日常の作業に使うと大げさに響きます。困難があった仕事や、

長期にわたった取り組みを終えた場面であれば自然です。

通常の完了報告は「完了いたしました」で足ります。

語の重さは、実際にかかった労力と釣り合っているかで判断してください。

「執行」はどんな場面で使う語ですか?

決定されたことを、権限に基づいて実施する場面です。

予算の執行、役員の職務執行のように、権限と責任が伴う文脈で使われます。

一般の業務に使うと、権限を行使している含みが出て大げさになります。

社内規程や決裁文書の中で定義されている場合は、その定義に従ってください。

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