「急ぎ」の言い換え
「急ぎ」は自分の事情を名詞にした語です。「急ぎでお願いします」と書いたとき、急いでいるのは頼む側であって、相手ではありません。理由も期限も添えずにこの語だけを渡すと、相手は自分の予定をどう組み替えればよいのかが分からないまま、優先度だけを押しつけられます。また「お急ぎのところ」は相手が急いでいる場面に添える言い方なので、こちらが急かしている場面に置くと、向きが逆になります。
場面で選ぶ言い換え 7選
| 言い換え | 相手・場面 | ニュアンスと使いどころ |
|---|---|---|
| 恐れ入りますが本日中に 改まった場面 | 取引先・上司 | 詫びを一言置いてから期限を言い切る。急ぐ事実を、相手の作業の締切として渡す 避ける場面:本当に本日中でなくてよいとき。緩められる期限を厳しく言うと次から効かない |
| 優先してお進めいただけますでしょうか 改まった場面 | 取引先・社内 | 速度ではなく順番の話にする。相手は他の作業と並べて判断できる 避ける場面:相手が抱えている作業を知らないとき。何を後回しにさせるかが見えていない依頼になる |
| 急ぐ理由を先に書く(「先方の締切が11日のためです」) 標準 | 社内・取引先 | 事情を開示して判断を委ねる。理由が納得できれば、頼まなくても優先される 避ける場面:理由が自分の段取りの遅れであるとき。書けるが、繰り返すと信用を失う |
| ご都合のつくときで構いません 標準 | 社内・取引先 | 急がない依頼だと明示する。急ぎの依頼と混ざらないので、本当の急ぎが目立つ 避ける場面:実際には期限があるとき。後から「今週中でした」と言えなくなる |
| お急ぎでしょうか 標準 | 取引先・社内 | 向きを相手側に戻して尋ねる。相手の締切を先に聞いてから、こちらの段取りを組む 避ける場面:自分の側に締切があるとき。聞くだけでは自分の期限が伝わらない |
| 割り込みでのご依頼となりますが 改まった場面 | 取引先・社内 | 順番を変えてもらう頼みであることを認める。負担を認識していることが伝わる 避ける場面:通常の手順で間に合う依頼。大げさで、かえって身構えさせる |
| 時間を要する場合はその旨お知らせください 改まった場面 | 取引先 | 断る道と相談する道を残す。無理な約束をさせずに、実際の見込みを引き出せる 避ける場面:期限が動かせない場合。相談の余地があると読まれる |
そのまま使えるメール例文
取引先へ、理由を先に書いて期限を頼む
株式会社サンプル商事
田中様
お世話になっております。サンプル工業の山田です。
先週お願いいたしました見積書について、期日の前倒しのお願いです。
当初は9月8日までとお伝えしておりましたが、
先方の入札締切が9月11日に確定し、社内の承認会議が9月5日となりました。
このため、9月4日正午までにお送りいただけますと間に合います。
こちらの都合で恐縮ですが、ご検討いただけますでしょうか。
難しい場合は概算だけでも構いませんので、その旨お知らせください。
社内へ、順番を変えてもらう依頼だと認めたうえで頼む
製造部
鈴木課長
お疲れさまです。営業部の山田です。
H社向けサンプル品の試作について、割り込みでのご依頼となりますが、
来週の製造計画にお入れいただけないでしょうか。
先方の社内評価会が9月19日に前倒しとなり、
それまでに実物をお届けしないと、今期の採用検討から外れる見込みです。
現在ご対応中のI社案件は納期に余裕があると伺っております。
順番を入れ替えていただくことは可能でしょうか。
難しければ、外部での試作も含めて別の手を検討いたします。
取引先から急ぎの依頼を受けたとき、相手の締切を確かめる
株式会社サンプルシステムズ
高橋様
お世話になっております。サンプル工業の山田です。
追加ライセンスのお見積りについて、承知いたしました。
お急ぎでしょうか。差し支えなければ、いつまでに必要かをお聞かせください。
通常の手順ですと、社内の価格承認を含めて3営業日を頂戴しております。
本日中に必要ということでしたら、承認前の参考価格としてお出しすることは可能です。
その場合、確定価格との差が生じる可能性がございます。
どちらでお進めするか、ご指示いただけますでしょうか。
社内へ、急がない依頼であることを明示して頼む
情報システム部
高橋さん
お疲れさまです。営業部の山田です。
顧客マスタの重複データについて、整理をお願いしたく存じます。
同一法人が別コードで2件登録されているものが、確認できた範囲で14件ありました。
一覧を添付しております。
日々の業務に支障は出ておりませんので、ご都合のつくときで構いません。
年内に片付けば十分です。
優先度の高い作業が入っている場合は、後回しにしてください。
使わないほうがよい言い換え
置き換えれば丁寧になるとは限りません。次の表現は実際に誤用として指摘されることが多いものです。
お急ぎのところ恐れ入りますが(自分が急かしている場面で)
「お急ぎのところ」は、相手が急いでいる最中に手間をかけることへの詫びです。こちらの都合で相手を急かす場面に置くと、向きが逆になり、急がせている当人が相手の忙しさを慮っている形になります。自分の側の事情で頼むのであれば「こちらの都合で恐縮ですが」、相手が忙しいことへの配慮なら「お忙しいところ恐れ入りますが」です。
大至急(日常の依頼に付ける)
強い語ほど摩耗が早く、繰り返すと次の「大至急」が効かなくなります。加えて、いつまでかを含まないため、受け取った側は自分の他の作業と比べられません。本当に急ぐときのために取っておき、日常の依頼には日時を書いてください(「本日15時までに」)。
件名に「急ぎ」とだけ書く
受信箱には他社からの急ぎのメールも並びます。そのなかで自分のメールだけが優先される理由にはならず、相対的な優先度を作れません。件名には案件名と期限を入れてください(「【9月4日正午まで】9月納品分お見積りのお願い」)。期限が入っていれば、相手は開かずに順番を決められます。
急ぎませんので(期限を書かずに添える)
期限がないのではなく、書いていないだけであることがほとんどです。後になって「実は今週中でした」となると、相手は前提が違ったと感じます。本当に期限がないなら「年内で構いません」と外側の枠を書き、期限があるなら急がない旨と一緒に日付を書いてください。
「急ぎ」を使った文章を、相手に合わせて直す
このページの内容は、登録も課金もなくすべて読めます。無料枠があるのは下の変換ツールだけです(1日3回・1回 1,000 文字まで)。
事実・数値・日付は書き換えません。入力した文章は当サイトには保存されません。変換は国外(米国)のAI事業者で処理されるため、機密情報の入力はお控えください(プライバシーポリシー)。
直した文章
下書きに見つかった表現
文章を貼って宛先を選ぶと、ここに直した文章が出ます。
関連するページ
よくある質問
無料で使えますか?
はい。登録もログインも不要で、すぐにお使いいただけます。要約は1日1回、1回あたり5,000文字まで無料です(日本時間の0:00にリセットされます)。参考文献ジェネレーターは回数制限なく何度でも無料でお使いいただけます。クレジットカードの登録は必要ありません。
「急ぎ」と「至急」はどう違いますか?
硬さと強さが違います。「急ぎ」は和語で日常の依頼に使われ、
「至急」は漢語で、業務指示や社内の通知に使われます。
どちらも期限を含まない点は同じなので、
強い語に替えるより、日時を書くほうが確実に伝わります。
「至急」は多用すると効き目が落ちるという点も同じです。
「お急ぎのところ恐れ入ります」はいつ使うのですか?
相手が急いでいると分かっているときです。
たとえば、相手から「本日中に回答がほしい」と言われている状況で、
こちらから追加の確認をお願いする場面が該当します。
自分が急かしている場面では、相手はまだ急いでいません。
その場合は「こちらの都合で恐縮ですが」に替えてください。
急ぎの依頼を断りたいときは、どう書けばよいですか?
できない理由ではなく、できる日を書いてください。
「本日中は難しく、9月5日17時であればお出しできます」と代案を示せば、
相手はその日程で間に合うかを判断できます。
それでも間に合わない場合に備えて、
精度を落とせば早く出せる選択肢があるなら、それも並べてください。
件名に「急ぎ」と書くのは失礼ですか?
失礼ではありませんが、効きません。
受信箱に並ぶ他のメールと比べる材料にならないためです。
期限を数字で入れてください(「【9月4日正午まで】」)。
日付が入っていれば、相手は開く前に順番を決められます。
そのほうが結果として早く返ってきます。
何度も急ぎの依頼をしてしまう場合、どうすればよいですか?
依頼のたびに謝るより、依頼の出し方を変えるほうが効きます。
先方の締切が動く案件であれば、確定前の段階で「9月上旬に依頼が出る見込みです」と
予告しておくと、相手は枠を空けておけます。
予告しておいた依頼は、当日に急ぎと書かなくても優先されます。
「急ぎ」と書かずに優先度を伝えるには?
期限と、その期限である理由の2つを書いてください。
「9月4日正午までにお願いします。翌5日が社内の承認会議のためです」と書けば、
強い語を使わずに動かせない事情が伝わります。
相手が自分で優先度を計算できる状態にするのが目的で、
こちらの焦りを伝えることが目的ではありません。
長くなったメールを短くする
言い換えで整えたあと、全体が長すぎると感じたら要約AIに通してみてください。要点を残したまま短くできます。登録不要・無料です。