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「ちなみに」の言い換え

「ちなみに」は追加の接続語ではなく、これから書くことは本題ではないと宣言する語です。読み手はその合図を受け取って読む力を落とすので、金額や締切をここに置くと高い確率で見落とされます。問題は、書き手の側にその自覚がないことです。遠慮して「ちなみに」を付けた結果、いちばん伝えたい条件が余談の位置に落ちている、という事故が実際によく起きます。

場面で選ぶ言い換え 7選

言い換え相手・場面ニュアンスと使いどころ
補足いたしますと
改まった場面
取引先・上司本題を理解するために要る情報を、本題の一部として足す。余談の位置に落とさずに済む
避ける場面:読まなくても支障のない情報。もったいぶった印象になる
参考までに
標準
社内・取引先判断には要らないが、持っておくと役に立つ情報。読み飛ばしてよいことを相手に明示できる
避ける場面:相手が判断に使う数字や条件。断る材料として渡す情報も含まれる
念のため申し添えますと
改まった場面
取引先相手は承知しているはずだが、行き違いを防ぐために書いておく。確認の色が出る
避ける場面:相手が明らかに知らない情報。初出の説明を確認の形で書くと不親切になる
関連して
標準
社内本題と地続きの話題であることを示す。余談ではないが本題そのものでもない中間に置ける
避ける場面:前の話題とつながりが薄いとき。関係を探させてしまう
蛇足ながら
改まった場面
社内・上司不要と分かったうえで一言添える謙遜の形。目上への報告に短く付けると収まる
避ける場面:実際に必要な情報。自分から価値を下げてしまう
余談ですが
標準
社内・取引先本題から完全に外れることを宣言する。「ちなみに」が曖昧に済ませている距離を言葉にする
避ける場面:用件だけを求めている相手や、催促・謝罪のメール。場違いに映る
(小見出しを立てて別項にする)
標準
社内・取引先接続語でつながず、「補足」「ご参考」と見出しを立てて本文から切り離す。3 行を超える追記に向く
避ける場面:一言で済む追記。かえって大ごとに見える

そのまま使えるメール例文

判断には不要な情報だと明示して渡す

株式会社サンプル商事
田中様

お世話になっております。山田です。

ご依頼いただいた見積書を添付いたします。
ご要望どおり、A プラン 3 年契約の条件で作成しております。

参考までに、同じ構成を 5 年契約にした場合の金額も 2 枚目に載せております。
今回のご検討に不要でしたら、1 枚目のみご覧ください。

ご確認のうえ、ご不明な点がございましたらお知らせください。

相手の作業が必要な条件を、余談にせず本題として書く

株式会社サンプル商事
佐藤様

いつもお世話になっております。山田です。

お申し込みいただいた研修プログラムについて、ご連絡いたします。

開催日は 6 月 12 日、会場は弊社会議室、定員は 20 名です。
補足いたしますと、当日の資料を人数分ご用意する都合上、
ご参加者のお名前を 6 月 5 日までにお知らせいただく必要がございます。

お手数をおかけしますが、期日までにご返信をお願いいたします。

本題と無関係な話題を、余談として切り離す

開発部各位

お疲れさまです。山田です。

来週のリリース手順を共有いたします。
作業開始は 15 日 22 時、切り戻しの判断期限は 23 時 30 分です。
当日の連絡は共有チャンネルに集約してください。
手順書は共有フォルダの「リリース手順_v4」をご覧ください。

余談ですが、今回から手順書を 6 ページから 2 ページに圧縮しました。
読みにくい箇所がありましたら、リリース後で構いませんのでお知らせください。

当日はよろしくお願いいたします。

使わないほうがよい言い換え

置き換えれば丁寧になるとは限りません。次の表現は実際に誤用として指摘されることが多いものです。

必要な情報に付ける「ちなみに」

最も多く、いちばん実害が出る使い方です。「ちなみに、お見積りは 3 万円になります」「ちなみに、ご返信は金曜までにお願いします」と書くと、読み手は余談の合図として受け取り、流し読みします。あとで「聞いていない」と言われるのはこの形です。金額・締切・条件・相手の作業が発生することは、余談の位置に置かず本文に上げてください。

メールの書き出しに置く「ちなみに」

「ちなみに」は前に述べた内容を受けて、そこから離れることを示す語です。受ける内容がない 1 文目に置くと、何に対する余談なのかが分かりません。前のやり取りを受けているのであれば「先日の件ですが」と示してから足してください。

自分の知識を足すときの「ちなみに」

「ちなみに、この規格は 2019 年に改定されています」のように書くと、相手が知らないと決めつけた形になり、講釈をしているように読まれます。とくに目上や専門が近い相手では、指摘されたと受け取られることもあります。事実だけを述べるか、「ご存じかと思いますが」を前に置いて相手を立ててください。

質問を足すときの「ちなみに」

「ちなみに、納品形式は PDF でよろしいでしょうか」と書くと、質問が余談として扱われ、返信で答えが漏れます。実際にやり取りが 1 往復増える原因になります。質問は余談ではないので、「もう 1 点お伺いいたします」と番号を振って独立させてください。

「ちなみに」を使った文章を、相手に合わせて直す

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1日3回 / 1,000文字
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直した文章

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よくある質問

無料で使えますか?

はい。登録もログインも不要で、すぐにお使いいただけます。要約は1日1回、1回あたり5,000文字まで無料です(日本時間の0:00にリセットされます)。参考文献ジェネレーターは回数制限なく何度でも無料でお使いいただけます。クレジットカードの登録は必要ありません。

「ちなみに」はビジネスメールで失礼ですか?

失礼ではありません。丁寧さの問題ではなく、距離の問題です。

この語は「これは本題ではありません」という合図なので、失礼になるのではなく読み飛ばされます。

使ってよいのは、読み飛ばされても支障のない情報だけだと考えてください。

「ちなみに」と「なお」はどう違いますか?

落としたときに相手が困るかどうかが違います。

「なお」の後ろは本題に付随する条件や注意なので、読んでもらう必要があります。

「ちなみに」の後ろは読まなくても用件が完結する情報です。

その一文を消しても相手が正しく動けるかを考えて、動けないなら「なお」か「補足いたしますと」に替えてください。

上司や取引先に使ってもよいですか?

情報を渡すだけなら問題ありません。避けたいのは、目上に対して自分の知識を足す使い方です。

「ちなみに、こちらの制度は昨年変わっています」と書くと、教える立場に立ったように読まれます。

同じ内容でも「念のため申し添えますと」であれば、行き違いを防ぐための確認として収まります。

「ちなみに」を丁寧にした言い方はありますか?

丁寧形はありません。「ちなみにですが」と伸ばしても丁寧にはならず、前置きが長くなるだけです。

格を上げたいのであれば、丁寧語を探すのではなく役割の違う語に替えてください。

判断材料でないなら「参考までに」、本題に要る情報なら「補足いたしますと」です。

チャットで追記するときも「ちなみに」でよいですか?

チャットは 1 メッセージ 1 用件で読まれるので、同じメッセージに「ちなみに」で足すと拾われにくくなります。

伝えたいことが 2 つあるなら、メッセージを分けるか、行頭に「追加でもう 1 点」と書いて独立させてください。

逆に、雑談として足すのであればチャットは「ちなみに」がいちばん自然に働く場所です。

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