「ただし」の言い換え
「ただし」は逆接の仲間として教わることが多いのですが、働きが違います。逆接が前の文をまるごと反転させるのに対し、「ただし」は前の文を残したまま、適用される範囲だけを狭めます。つまり「ただし」の後ろに来るべきなのは、反対意見ではなく条件か例外です。ここを取り違えて事情や言い訳を続けると、読み手は「何が制限されたのか」を探しながら読むことになります。
場面で選ぶ言い換え 7選
| 言い換え | 相手・場面 | ニュアンスと使いどころ |
|---|---|---|
| 〜の場合に限り 改まった場面 | 取引先・上司 | 適用される範囲を、外す側ではなく当てはまる側から書く。読み手が自分に該当するかをその場で判断できる 避ける場面:条件が 3 つ以上あるとき。1 文に詰め込むと係り受けが読み取れなくなる |
| 〜を除き 改まった場面 | 取引先 | 対象から外れるものを名指しで抜く。規約・案内文で項目を列挙したあとに置くと収まりがよい 避ける場面:挙げた例が一部にすぎないとき。網羅したものとして扱われる |
| 例外として 標準 | 社内・取引先 | 原則を先に立てたうえで、そこから外す 1 件だけを認める。特例であることが言葉に出る 避ける場面:常時適用される条件。恒久的な決まりが一時的な特例に見える |
| 前提として 標準 | 社内・取引先 | 条件を後ろではなく先に置く。読み手が本文を読む前に適用範囲を知った状態になる 避ける場面:交渉の途中で新しい条件を出すとき。最初から決まっていたかのように響く |
| ご留意いただきたいのは 改まった場面 | 取引先・上司 | 制限があること自体を注意として差し出す。相手にとって不利になる条件に添える 避ける場面:相手の作業を増やさない軽い補足。大げさに構えたように見える |
| あらかじめご了承ください 改まった場面 | 取引先 | 条件を述べるのではなく、条件を受け入れてもらう依頼の形にする。変更できない制約に使う 避ける場面:相手に選ぶ余地がある条件。決定事項として押し切ったように読まれる |
| 〜する場合は 標準 | 社内・取引先 | 条件節にたたんで 1 文に収める。文を切らないので、条件だけが浮き上がらない 避ける場面:条件が本題と同じくらい重いとき。文の後半に埋もれて見落とされる |
そのまま使えるメール例文
割引の適用条件を、当てはまる側から書く
株式会社サンプル商事
田中様
お世話になっております。山田です。
先日お問い合わせいただいた保守契約の割引について、ご案内いたします。
年間契約をお申し込みいただいた場合に限り、月額料金を 15% 割引いたします。
月ごとのご契約は対象外となりますので、ご検討の際にご確認ください。
適用開始はお申し込み月の翌月からです。
ご不明な点がございましたら、お気軽にお知らせください。
社内の決まりに一時的な特例を設ける
営業部各位
お疲れさまです。総務の山田です。
来月より、経費精算の提出期限を毎月 5 日に統一いたします。
例外として、月末に出張が入っている方は 10 日までの提出を認めます。
その場合は、事前に上長へ出張日程を共有してください。
システムの入力手順は従来どおり変更ありません。
ご不明な点は総務までお問い合わせください。
依頼は受けるが、着手できる条件を先に示す
株式会社サンプル商事
佐藤様
いつもお世話になっております。山田です。
ご相談いただいた追加開発について、お引き受けいたします。
前提として、着手は現行案件のリリース後、6 月 10 日以降となります。
現在の体制では 2 案件を並行して進めることができないためです。
この日程でお進めしてよろしいか、ご都合をお聞かせいただけますでしょうか。
使わないほうがよい言い換え
置き換えれば丁寧になるとは限りません。次の表現は実際に誤用として指摘されることが多いものです。
逆接として使う「ただし」
いちばん多い誤用です。「本日中に発送いたします。ただし、担当者が不在でして」のように書くと、発送するのかしないのかが決まらないまま文が終わります。「ただし」は前の文を残して範囲を狭める語なので、後ろに来るのは条件か例外でなければなりません。事情を述べたいのであれば逆接の「ただ」に替えるか、「本日中の発送は難しく、明日午前の発送となります」と結論を書き直してください。
但し
仮名で書くのが基準です。文化庁『公用文作成の考え方』は「常用漢字表にあっても法令に倣い仮名で書く」語の例として「但し→ただし」「但書→ただし書」を挙げています。つまり法令自体が「ただし」と開いており、「但し」は法律文書の表記ではありません。通常のビジネスメールで漢字にすると、古風な文書の口調を持ち込んだように読まれます。本文では「ただし」と開いてください。
ただし書きに本題を隠す
「ただし」以降に、いちばん相手に効く条件(追加費用・キャンセル料・対象外の範囲)を長く書く形です。読み手は本文を読み終えた気分で流すため、後から「聞いていない」という話になります。相手の負担が増える条件は、ただし書きに落とさず本文へ上げるか、見出しを立てて独立させてください。
ただし〜。ただし〜(条件の入れ子)
例外の例外を「ただし」で重ねると、2 つ目がどちらに掛かるのかを読み手が判定できなくなります。条件が 2 段になった時点で接続語では扱いきれません。「対象:〜」「対象外:〜」のように、箇条書きで並べ替えてください。
「ただし」を使った文章を、相手に合わせて直す
このページの内容は、登録も課金もなくすべて読めます。無料枠があるのは下の変換ツールだけです(1日3回・1回 1,000 文字まで)。
事実・数値・日付は書き換えません。入力した文章は当サイトには保存されません。変換は国外(米国)のAI事業者で処理されるため、機密情報の入力はお控えください(プライバシーポリシー)。
直した文章
下書きに見つかった表現
文章を貼って宛先を選ぶと、ここに直した文章が出ます。
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よくある質問
無料で使えますか?
はい。登録もログインも不要で、すぐにお使いいただけます。要約は1日1回、1回あたり5,000文字まで無料です(日本時間の0:00にリセットされます)。参考文献ジェネレーターは回数制限なく何度でも無料でお使いいただけます。クレジットカードの登録は必要ありません。
「ただし」と「しかし」はどう違いますか?
前の文が残るかどうかが違います。「しかし」は前に書いたことを打ち消して反転させますが、
「ただし」は前に書いたことを生かしたまま、当てはまる範囲だけを削ります。
「返品を承ります。ただし未開封に限ります」では返品を受ける方針は生きています。
これを「しかし未開封に限ります」と書くと、返品自体を断ったように読まれます。
前の文を取り消したいのかどうかで選んでください。
「ただし」と「なお」はどちらを使えばよいですか?
その一文を削ったときに、本文の意味が変わるかどうかで決まります。
削っても本文が成立するなら補足なので「なお」が合います。
削ると適用範囲が広がってしまう、つまり相手が誤解するなら、それは補足ではなく条件なので「ただし」です。
「なお、当日は名刺をご持参ください」は落としても案内は成立しますが、
「ただし、対象は初回のお申し込みに限ります」は落とすと条件が消えてしまいます。
契約書の「ただし書き」とメールの「ただし」は同じものですか?
構造は同じです。法律文書の但書は本文が定めた原則の例外を定める部分で、本文と同じ効力を持ちます。
メールでも同じで、「ただし」以降は補足ではなく本文と同じ重さの取り決めです。
軽い添え物のつもりで書くと、後から条件の有無で認識が食い違います。
条件が複数あるときはどう書きますか?
接続語でつながずに箇条書きへ移してください。目安は 2 つまでです。
3 つ以上を「ただし」「なお」でつなぐと、どれが本文でどれが条件なのかが判別できなくなります。
「ご利用条件」と見出しを立てて 3 行並べるほうが、読み手も引用しやすくなります。
「ただし」を文頭で使うのは失礼ですか?
失礼ではありません。案内文や規約では標準的な書き方です。
気をつけるのは丁寧さではなく位置です。文頭に置くと条件が視覚的に目立つので、
相手に不利な条件ならむしろ文頭が適切です。逆に、目立たせたくないという理由で
文の末尾に押し込むのは避けてください。見落とされたときに困るのは書き手のほうです。
長くなったメールを短くする
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