ビジネス言い換え
「また」の言い換え
「また」は追加を示す最も基本的な接続語で、それゆえ 1 通のメールに何度も現れやすく、 繰り返すと単調で幼い印象になります。さらに問題なのは、「単なる追加」なのか「話題の転換」なのかが 読み手に伝わらないことです。副詞の「また(再度)」と同じ形なので、文頭に置くと一瞬どちらか迷わせます。
場面で選ぶ言い換え 7選
| 言い換え | 相手・場面 | ニュアンスと使いどころ |
|---|---|---|
| なお 改まった場面 | 取引先・上司 | 本題を述べ終えたあとに、条件や注意を補足として添える。文の後半に置くと収まりがよい 避ける場面:対等な項目を並べるとき。補足に格下げしたように見える |
| あわせて 標準 | 取引先・社内 | 2 つの依頼や連絡を同じ重さで並べる。「ついでに」と違い、相手の手間を軽く見せない 避ける場面:2 件目が本題より明らかに小さいとき。かえって重く見える |
| さらに 標準 | 取引先・社内 | 前の内容に積み増して強める。理由や根拠を重ねるときに向く 避ける場面:単に別件を並べるとき。大げさに響く |
| 加えて 改まった場面 | 取引先 | 改まった文書で要素を足す。「さらに」より硬く、強調の色が薄い 避ける場面:社内の短い連絡。堅すぎる |
| 別件ですが 標準 | 社内・取引先 | 話題が完全に変わることを先に宣言する。読み手が頭を切り替えられる 避ける場面:前の話題と関係がある補足。切り離しすぎになる |
| 以上に加えまして 改まった場面 | 取引先 | 箇条書きや複数項目を受けてから、さらに足す。長い列挙のあとに効く 避ける場面:受ける内容が 1 文しかないとき |
| 第二に 標準 | 社内 | 論点を番号で整理する。報告書や議事メモで、数が決まっているときに使う 避ける場面:「第一に」を先に置いていないとき |
そのまま使えるメール例文
2 件の依頼を同じ重さで並べる
株式会社サンプル商事
田中様
お世話になっております。山田です。
来週の定例会でお使いいただく資料について、2 点お願いがございます。
1 点目は、先日お送りした見積書のご確認です。金額に相違がないかをご覧ください。
あわせて、当日ご参加予定の方のお名前を金曜日までにお知らせいただけますでしょうか。
席次表の準備に使わせていただきます。
お手数をおかけしますが、よろしくお願いいたします。
本文のあとに注意事項を補足する
営業部各位
お疲れさまです。総務の山田です。
来月 20 日にオフィスの座席レイアウトを変更します。
当日は 9 時から 12 時まで執務エリアに立ち入れませんので、
前日の退勤時までに私物をロッカーへ移してください。
なお、当日の在宅勤務は申請不要とします。上長への口頭連絡のみでかまいません。
ご不明な点は総務までご連絡ください。
話題を切り替えることを明示する
佐藤様
お世話になっております。山田です。
先日ご相談いただいた納期の件は、5 月中旬で調整がつきました。
改めて正式なスケジュールをお送りいたします。
別件ですが、来年度の年間契約について一度お打ち合わせのお時間をいただけますでしょうか。
条件の見直しをご提案したく存じます。
ご多忙のところ恐れ入りますが、ご検討のほどよろしくお願い申し上げます。
使わないほうがよい言い換え
置き換えれば丁寧になるとは限りません。次の表現は実際に誤用として指摘されることが多いものです。
また(1 通に 3 回以上)
もっとも多い問題です。同じ接続語が続くと文章が単調になり、書き手が語彙を選んでいない印象を与えます。 2 回目以降は「なお」「あわせて」「別件ですが」に置き換えると、そのたびに前後の関係も明確になります。
「また」で話題を大きく変える
「また」は追加であって転換ではありません。前の話題と無関係な件を「また、」で始めると、 読み手は関連を探してから無いことに気づくため、一拍分の負荷がかかります。 別件なら「別件ですが」「話は変わりますが」と明示してください。
接続の「また」と副詞の「また(再度)」の混在
「また、ご連絡いたします」は「あらためて連絡する」とも「加えて連絡する」とも読めます。 再度の意味なら「改めてご連絡いたします」、追加の意味なら「あわせてご連絡いたします」と、 どちらかに寄せると誤読が消えます。
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よくある質問
無料で使えますか?
はい。登録もログインも不要で、すぐにお使いいただけます。要約は1日1回、1回あたり5,000文字まで無料です(日本時間の0:00にリセットされます)。参考文献ジェネレーターは回数制限なく何度でも無料でお使いいただけます。クレジットカードの登録は必要ありません。
「また」と「なお」はどう使い分けますか?
重さが違います。「また」は前後を同じ重さで並べ、「なお」は前を本題、後ろを補足として格差をつけます。
2 つの依頼が同じくらい重要なら「あわせて」、1 つ目が本題で 2 つ目が注意書きなら「なお」です。
迷ったときは、後ろの内容を落としても本文が成立するかで判断してください。成立するなら「なお」が合います。
1 通のメールで何回まで使えますか?
目安は 1 回です。2 回目からは別の語に替えるほうが読みやすくなります。
どうしても 3 つ以上並ぶ場合は、接続語でつなぐのをやめて箇条書きにしてください。
「下記 3 点をご確認ください」と書いて番号を振るほうが、接続語を重ねるより確実に伝わります。
文頭に「また、」と書くのは失礼ですか?
失礼ではありません。ビジネス文書で一般的に使われる書き方です。
問題になるのは丁寧さではなく、繰り返しによる単調さと、追加か転換かが曖昧になることの 2 点だけです。
箇条書きにすれば接続語は要りませんか?
要りません。むしろ箇条書きの各項目の頭に「また」を付けると重複になります。
項目どうしの関係は、箇条書きという形式そのものが示しています。
前置きに「下記 2 点をお願いいたします」と数を書いておくと、読み手が構造を先に把握できます。
「および」「ならびに」との違いは何ですか?
「および」「ならびに」は語や句をつなぐ語で、文をつなぐ「また」とは階層が違います。
「A および B をご確認ください」とは言いますが、「A をご確認ください。および B を…」とは言いません。
なお契約書では「および」が小さい並列、「ならびに」が大きい並列と使い分ける慣行があります。
通常のメールでそこまで区別する必要はありません。
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