「断る」の言い換え
「断る」は行為の名前であって、相手に向ける言葉ではありません。相手宛のメールに必要なのは「お断りいたします」「辞退いたします」といった、誰が何を受けないのかが分かる形です。一方、社内では「先方に断りを入れました」のように行為として報告します。この二つを混ぜると、文面がそっけなくなったり、社内の報告が要領を得なくなったりします。
場面で選ぶ言い換え 7選
| 言い換え | 相手・場面 | ニュアンスと使いどころ |
|---|---|---|
| お断りいたします 改まった場面 | 取引先・顧客 | 受けないことを明言する。角は立つが解釈の余地がないので、相手も次の手を打てる 避ける場面:交渉の余地を残したいとき。話し合いの入口まで閉じてしまう |
| 辞退いたします 改まった場面 | 取引先・上司 | 依頼・役職・招待など、与えられる立場のものを受けないと述べる。へりくだりが自然に出る 避ける場面:相手が売り込んできたものを断るとき。ありがたく受けるべきものだった含みが出る |
| ご遠慮申し上げます 改まった場面 | 取引先・顧客 | 自制の形にして拒否をやわらげる。取引を続けたい相手への断りに向く 避ける場面:二度と受けないと伝えたいとき。控えめすぎて再度打診される |
| ご期待に沿えません 改まった場面 | 取引先・顧客 | 結果が相手の望みに届かなかったことを述べる。相手の側の非に一切触れずに済む 避ける場面:そもそも期待を持たせていない相手。持ち上げてから落とす形になる |
| お力になれません 標準 | 取引先・社内 | 応じられない理由を、こちらの余力や範囲の側に置く。相談を持ちかけられたときの断りに合う 避ける場面:能力の問題ではなく方針で受けない場合。誤解を招く |
| 見合わせております 標準 | 取引先・社内 | 個別の判断ではなく、全社の方針として受けていないと示す。担当者が矢面に立たずに済む 避ける場面:本当は個別に判断している場合。方針だと言い切ると後で覆せない |
| 断りを入れる くだけた場面 | 社内 | 断るという行為そのものを社内で共有する言い方。誰がいつ伝えたかを報告できる 避ける場面:社外へのメール。行為の名前なので、相手に向ける言葉にならない |
そのまま使えるメール例文
見積依頼を受けられないことを伝える
株式会社サンプル商事
田中様
お世話になっております。山田です。
このたびご依頼いただいた特注品のお見積りにつきまして、
誠に恐縮ながらお断りいたします。加工に必要な設備を当社では保有しておらず、
ご期待に沿えません。
このたびはお声がけいただき、ありがとうございました。
同種の加工を扱う会社を2社存じておりますので、
差し支えなければご紹介いたします。必要でしたらお申し付けください。
依頼された役割を辞退する
佐藤様
お世話になっております。山田です。
次期の業界研究会で幹事をとのお話、光栄に存じます。
ただ、来期は担当製品の切り替えが重なり、会の運営に十分な時間を割けません。
申し訳ございませんが、今回は辞退いたします。
お声がけいただき、ありがとうございました。
幹事以外の形であればお力になれますので、資料作成や当日の受付などがございましたらお申し付けください。
営業の申し出を方針として断る
鈴木様
お世話になっております。購買部の山田でございます。
ご案内いただいた広告枠につきまして、当社では現在、新規の媒体出稿を見合わせております。
個別のご提案の内容によらず、来期の予算編成が終わるまでは同じ扱いとなります。
恐れ入りますが、それまでのご案内はご遠慮申し上げます。
ご案内いただき、ありがとうございました。
来期の方針が固まりましたら、こちらからご連絡いたします。
断ったことを社内に報告する
鈴木部長
お疲れさまです。山田です。
サンプル商事様の特注品の件、本日13時に先方の田中様へ断りを入れました。
設備を保有していないことを理由として伝え、加工会社2社の紹介を申し出ております。
先方からは、紹介先を検討したうえで改めて連絡するとの返答をいただきました。
次の連絡があり次第、共有いたします。
よろしくお願いいたします。
使わないほうがよい言い換え
置き換えれば丁寧になるとは限りません。次の表現は実際に誤用として指摘されることが多いものです。
お断りします
「いたします」を「します」にすると、へりくだりが一段落ちるため、社外では通告のように響きます。同じ内容でも「お断りいたします」であれば、断ったうえで相手を立てている形が残ります。社内の連絡であれば「お断りします」で構いません。
拒否いたします
対立する意思を宣言する語なので、契約上の争いや不当な要求への対応でなければ強すぎます。通常の商談で使うと、相手は交渉が決裂したと受け取ります。受けないだけであれば「お断りいたします」、応じられないだけであれば「ご要望に沿いかねます」に替えてください。
お断りさせていただきます
断るのに相手の許可は要りませんし、断ることで恩恵を受けるわけでもありません。文化庁の『敬語の指針』は「させていただく」を「相手側または第三者の許可を受けて行い、そのことで恩恵を受ける」場合の形だと整理しており、この条件から外れます。ただし指針は、条件を満たしていなくても満たしているかのように見立てて使う用法があることにも触れており、許容度には個人差があります。丁寧にしたいだけであれば「お断りいたします」で足ります。
今回はご縁がなかったということで
理由を一切示さないため、相手は次に何を変えればよいのかが分かりません。不特定多数への通知では定型として通りますが、やり取りを重ねた相手に使うと、それまでの時間を軽く扱われたように受け取られます。条件が合わなかった点を1つだけでも挙げるほうが、関係が続きます。
「断る」を使った文章を、相手に合わせて直す
このページの内容は、登録も課金もなくすべて読めます。無料枠があるのは下の変換ツールだけです(1日3回・1回 1,000 文字まで)。
事実・数値・日付は書き換えません。入力した文章は当サイトには保存されません。変換は国外(米国)のAI事業者で処理されるため、機密情報の入力はお控えください(プライバシーポリシー)。
直した文章
下書きに見つかった表現
文章を貼って宛先を選ぶと、ここに直した文章が出ます。
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よくある質問
無料で使えますか?
はい。登録もログインも不要で、すぐにお使いいただけます。要約は1日1回、1回あたり5,000文字まで無料です(日本時間の0:00にリセットされます)。参考文献ジェネレーターは回数制限なく何度でも無料でお使いいただけます。クレジットカードの登録は必要ありません。
メールに「断ります」と書いてもよいですか?
社外には向きません。「断る」は行為の名前で、相手を立てる要素が含まれないためです。
同じ内容を伝えるなら「お断りいたします」「辞退いたします」のように、
へりくだりの形が付いた語を使ってください。社内の報告であれば「断りを入れました」で問題ありません。
「辞退」と「お断り」はどう使い分けますか?
受けるはずだったものを返上するのが「辞退」、持ちかけられたものを受けないのが「お断り」です。
役職・表彰・招待・依頼のように、相手が好意で差し出したものには「辞退いたします」が合います。
売り込みや見積依頼のように、相手が自分の利益のために持ちかけたものには「お断りいたします」が自然です。
断るときに理由は書くべきですか?
1点だけ書くのが実用的です。
理由をまったく書かないと不誠実に映り、詳しく書きすぎると反論の余地を与えます。
「設備を保有していないため」「今期の予算枠に収まらないため」のように、
相手が交渉で覆せない事実を1つ挙げるのがもっとも収まります。
断ったあとも関係を続けたい場合はどうしますか?
断りの文の直後に、こちらから差し出せるものを書きます。
代替案、紹介、次に検討できる時期のいずれかで構いません。
「来期の予算編成は10月です」の一文があるだけで、断りが終わりの通知ではなくなります。
何度も断っている相手には、どう伝えればよいですか?
個別の判断ではなく方針であることを伝えます。
「当社では現在、新規の媒体出稿を見合わせております」のように書けば、
提案の中身を変えても結果が変わらないことが伝わり、相手も時間を無駄にせずに済みます。
あわせて、方針が変わったらこちらから連絡すると添えておくと、以後の打診が止まります。
上司からの依頼を断ることはできますか?
断るというより、優先順位の判断を仰ぐ形にするのが現実的です。
「お引き受けするには、進行中の〇〇を来週へずらす必要があります。どちらを優先いたしましょうか」と書けば、
拒否ではなく相談になります。単に「できません」と返すと、判断材料のないまま押し戻す形になります。
長くなったメールを短くする
言い換えで整えたあと、全体が長すぎると感じたら要約AIに通してみてください。要点を残したまま短くできます。登録不要・無料です。