「考える」の言い換え
「考える」は、頭の中で行う作業のほぼすべてを指すため、「考えます」と書いても、材料を集めるのか、比べるのか、決めるのかが相手に伝わりません。さらに期限を含まない語なので、受け取った側は待てばよいのか催促すべきかを判断できません。ビジネス文では、行為の中身(検討・考察・勘案)と、いつ結論を出すのかをセットにする必要があります。
場面で選ぶ言い換え 7選
| 言い換え | 相手・場面 | ニュアンスと使いどころ |
|---|---|---|
| 検討する 改まった場面 | 取引先・上司・社内 | 可否や採否を決めるために調べて比べる。期限とセットで使うのが前提の語 避ける場面:実際には断るつもりのとき。期待を持たせる遅延になる |
| 考察する 改まった場面 | 社内・取引先 | 起きた事象の理由を掘り下げて述べる。報告書やレポートの節見出しになる 避ける場面:これからの行動を決める場面。過去の解釈を指す語 |
| 勘案する 改まった場面 | 取引先・上司 | 複数の条件を並べて突き合わせる。予算・納期・品質など要素が三つ以上あるときに合う 避ける場面:一つの論点しかないとき。仰々しく見える |
| 想定する 標準 | 社内・取引先 | 起こりうる状態を先に置いて話を進める。前提条件を共有するときの標準的な語 避ける場面:確定した事実を述べるとき。断定を避けた表現に読まれる |
| 存じます 改まった場面 | 取引先・上司 | 自分の見立てを謙譲の形で述べる。断定を避けつつ意見を置ける 避ける場面:事実を報告する箇所。判断と事実が混ざって読みにくくなる |
| 見込む 標準 | 社内・取引先 | 数量や時期の予測を述べる。数字を伴う文脈でのみ成立する 避ける場面:数値化できない対象。据わりが悪い |
| 案を練る くだけた場面 | 社内 | 結論の前段で、複数案を作っている最中であることを伝える。社内の進捗共有向け 避ける場面:社外への回答。進捗が見えず不安を与える |
そのまま使えるメール例文
取引先の提案に、いつ回答するかを添えて返す
株式会社サンプル商事
田中様
お世話になっております。山田です。
ご提案いただいた保守プランの変更につきまして、ご連絡いたします。
現行契約との差額と、切替に伴う停止時間の二点を勘案する必要がございますので、
社内で検討のうえ、5月14日(水)までに可否をご回答いたします。
その際、現行の月間障害件数の実績をこちらからお示しします。
恐れ入りますが、それまでお時間を頂戴できますでしょうか。
上司へ、結論ではなく検討状況を報告する
佐藤部長
お疲れさまです。山田です。
新規開拓先の選定について、途中経過をご報告いたします。
候補 12 社のうち、与信と納期条件で 5 社まで絞り込みました。
残る 5 社は、初期投資額と回収期間に開きがあるため、両方を並べた比較表を作成しております。
来週水曜の部会で 3 案に整理してお諮りしたいと考えております。
現時点で優先すべき観点がございましたら、ご指示いただけますでしょうか。
社内の報告書で、原因の解釈を述べる
品質管理部各位
お疲れさまです。山田です。
第 1 四半期の返品率上昇について、調査結果をお送りします。
返品 84 件のうち 61 件が同一ロットに集中しており、
製造記録を確認したところ、当該ロットのみ乾燥工程の温度が設定値を 4 度下回っておりました。
工程管理の記録様式に温度の実測欄がなかったことが、発見の遅れにつながったと考察しております。
再発防止案は別紙にまとめておりますので、ご確認をお願いいたします。
使わないほうがよい言い換え
置き換えれば丁寧になるとは限りません。次の表現は実際に誤用として指摘されることが多いものです。
考えておきます
断りの婉曲表現として使われることが多く、相手も多くの場合そう受け取ります。本当に検討するつもりなら、いつまでに何を判断するのかを書かないと、期待させたまま放置したことになります。断るなら「今回は見送らせていただきます」と明確にしてください。
前向きに検討します
「前向きに」が付くと、社交辞令としての断りの色がさらに濃くなります。本気で進めたいのであれば「社内の稟議に上げます」「5月14日までに可否をお伝えします」のように、次に起きる手続きを書いてください。
考えられます(根拠を書かずに使う)
報告書で多用されますが、誰がそう考えたのかが消えるため、責任の所在が曖昧になり、後から検証もできません。「製造記録の温度が設定値を 4 度下回っていたことから、乾燥不足が原因と考えております」のように、根拠と主語を戻してください。
考えさせていただきます
「させていただく」は相手の許可を前提にする表現ですが、考えるのに許可は要りません。過剰な敬語として指摘されやすい形です。「検討いたします」で十分に丁寧です。
「考える」を使った文章を、相手に合わせて直す
このページの内容は、登録も課金もなくすべて読めます。無料枠があるのは下の変換ツールだけです(1日3回・1回 1,000 文字まで)。
事実・数値・日付は書き換えません。入力した文章は当サイトには保存されません。変換は国外(米国)のAI事業者で処理されるため、機密情報の入力はお控えください(プライバシーポリシー)。
直した文章
下書きに見つかった表現
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よくある質問
無料で使えますか?
はい。登録もログインも不要で、すぐにお使いいただけます。要約は1日1回、1回あたり5,000文字まで無料です(日本時間の0:00にリセットされます)。参考文献ジェネレーターは回数制限なく何度でも無料でお使いいただけます。クレジットカードの登録は必要ありません。
「検討します」と「考えます」はどう違いますか?
「検討」は可否や採否を決めるために材料を比べる行為で、結論を出すことが前提です。
「考える」はその手前の作業も含みます。
相手に回答を返す場面では、結論を出すと約束する「検討いたします」のほうが、待ち方が決まるぶん親切です。
「検討します」は断りの意味になりますか?
期限がないとそう受け取られます。商習慣として「検討します」が断りの緩衝材に使われてきたためです。
本当に検討するなら「5月14日までに可否をご回答いたします」と、日付を添えてください。
日付が入るだけで断りの色は消えます。
「考察」はビジネス文書で使えますか?
使えます。ただし、起きたことの理由を述べる箇所に限ります。
これからどうするかを書く箇所で「考察」を使うと、分析で終わって行動が書かれていない文書になります。
報告書では「事実」「考察」「対応案」を分けて並べると、読み手が判断しやすくなります。
「思います」と「考えております」はどちらが適切ですか?
社外文書では「考えております」「存じます」に寄せるほうが安定します。
「思います」は感情や印象の色が残るため、判断を述べる箇所では根拠が薄く見えます。
ただし多用すると硬くなるので、事実の記述には述語を付けず、判断の箇所にだけ添えるのが読みやすい形です。
「検討いたします」と「検討させていただきます」はどちらですか?
「検討いたします」で十分です。「させていただく」は相手の許可や恩恵が前提にある場面の表現なので、
自社の判断に用いると過剰に映ります。
同様に「拝見させていただきます」も二重敬語として指摘されやすい形です。
上司に「もっと考えろ」と言われたときは何を足せばよいですか?
多くの場合、足りないのは思考時間ではなく比較対象です。
案が一つしかないと、なぜそれが良いのかを説明できません。
採らなかった案とその理由を一つ添えるだけで、判断の過程が見える資料になります。
長くなったメールを短くする
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