「受け取る」の言い換え
「受け取る」は物や情報が手元に届いたという事実だけを述べる語で、中身を見たかどうか、内容に問題がなかったかどうかは含みません。ところが送った側は、受領の返信を確認完了の合図として読むことがあります。何を受け取ったのか、どこまで確認したのかを分けて書かないと、あとから責任の所在が争点になります。
場面で選ぶ言い換え 7選
| 言い換え | 相手・場面 | ニュアンスと使いどころ |
|---|---|---|
| 拝受いたしました 改まった場面 | 取引先・上司 | 書類やメールを受け取ったことを、へりくだって述べる。届いた事実だけを短く返せる 避ける場面:中身の確認まで求められているとき。受け取っただけで止まっている |
| 頂戴いたしました 改まった場面 | 顧客・取引先 | 金品や心遣いを受ける。感謝が語そのものに含まれるので、礼状の書き出しに収まる 避ける場面:事務的な書類の受領。ありがたく受けたという色が付きすぎる |
| 受領いたしました 標準 | 取引先・社内 | 事務手続きとしての受領。日付と対象を並べて書けば、そのまま記録として残せる 避ける場面:好意で贈られたものへの返信。冷たく事務的に響く |
| 落手いたしました 改まった場面 | 取引先 | 書面での受領の返答。古風な語で、正式な通知文や手紙のやり取りに収まる 避ける場面:日常のメール。硬すぎて、かえって身構えさせる |
| 賜りました 改まった場面 | 顧客 | 高い立場の相手から与えられたものを受ける。式典の挨拶や礼状など、改まった文書で使う 避ける場面:日々のやり取り。大げさで、かえって距離ができる |
| お預かりいたします 標準 | 顧客・取引先 | 一時的に受け取り、返すか引き渡す前提があることを示す。原本や貸与品の受け取りに合う 避ける場面:自社のものになるものを受け取るとき。返すことになっている、と誤解される |
| 内容を確認いたしました 標準 | 取引先・社内 | 届いた事実ではなく、中身を見たことを述べる。確認した範囲を続けて書けば責任の線が引ける 避ける場面:まだ中身を見ていないとき。確認済みとして処理が進む |
そのまま使えるメール例文
資料を受け取り、確認の予定を伝える
株式会社サンプル商事
田中様
お世話になっております。山田です。
本日15時、ご提案書一式を拝受いたしました。ありがとうございます。
分量がございますので、内容の確認は5月17日(金)までに終える予定です。
確認後、あらためて所見と質問をまとめてお送りいたします。
引き続きよろしくお願い申し上げます。
記念品や心遣いを受け取った礼を述べる
株式会社サンプル商事
鈴木様
お世話になっております。山田です。
このたびは創立記念のご品を頂戴いたしました。心よりお礼申し上げます。
部内一同で拝見し、貴社の歩みを改めて知る機会となりました。
今後とも変わらぬお引き立てを賜りますよう、お願い申し上げます。
まずは書中にてお礼を申し上げます。
納品物の受領を事務的に通知する
株式会社サンプル商事
佐藤様
お世話になっております。購買部の山田でございます。
5月14日(火)付でご納品いただいた下記につきまして、受領いたしました。
品名:折りたたみコンテナ 数量:150個 伝票番号:A-20514
数量と外装の確認は完了しております。内容の検品は5月20日(月)までに実施し、
結果を改めてご連絡いたします。請求書は検品完了後にお送りください。
よろしくお願い申し上げます。
原本を一時的に預かる
高橋様
お世話になっております。山田です。
ご持参いただいた登記事項証明書の原本、確かにお預かりいたします。
写しを取りましたら、5月16日(木)に書留にてご返送いたします。
返送先はご記入いただいた住所で相違ございませんでしょうか。
変更がございましたら本日中にお知らせください。
よろしくお願い申し上げます。
使わないほうがよい言い換え
置き換えれば丁寧になるとは限りません。次の表現は実際に誤用として指摘されることが多いものです。
受け取りました(社外への返信で単独で使う)
届いた事実は伝わりますが、中身を見たかどうかが分かりません。送った側は確認済みと読むことが多く、後から不備が見つかったときに、いつの時点で誰が確認すべきだったのかが争点になります。「拝受いたしました。内容の確認は5月17日までに終えます」と、受領と確認を分けて書いてください。
頂戴させていただきました
「頂戴する」がすでにへりくだった語なので、そこへ「させていただく」を重ねると回りくどくなります。加えて、受け取ることに相手の許可を得たわけでもありません。「頂戴いたしました」または「頂戴しました」で十分です。
お受け取りください(自分が送った資料に添えて書く)
誤りではありませんが、受け取ってほしいとしか言っていないため、中身を見て確認してほしいのか、保管しておいてほしいのかが伝わりません。確認を求めるなら「ご査収ください」、確認は不要で保管だけなら「ご参考までにお送りいたします」と、相手にしてほしいことを書いてください。
賜りました(日々のメール受信への返信に使う)
「賜る」は高い立場の相手から与えられたものを受ける語で、式典の挨拶や礼状に使われます。日常の資料の受け取りに使うと、相手を持ち上げすぎて、かえって不自然に映ります。通常のやり取りでは「拝受いたしました」で足ります。
「受け取る」を使った文章を、相手に合わせて直す
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直した文章
下書きに見つかった表現
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よくある質問
無料で使えますか?
はい。登録もログインも不要で、すぐにお使いいただけます。要約は1日1回、1回あたり5,000文字まで無料です(日本時間の0:00にリセットされます)。参考文献ジェネレーターは回数制限なく何度でも無料でお使いいただけます。クレジットカードの登録は必要ありません。
「拝受」と「受領」はどう使い分けますか?
「拝受」はへりくだった語なので、相手を立てたいときに使います。
「受領」は事務的な語で、日付や品名と並べて記録に残す場面に向きます。
取引先からの提案書には「拝受いたしました」、納品物や請求書には「受領いたしました」と分けると、文書の性格に合います。
「拝受いたしました」「頂戴いたしました」は二重敬語ですか?
構成としては、へりくだった動詞に「いたす」を重ねた形です。
文化庁の『敬語の指針』は、二重敬語は一般に適切ではないとしつつ、
「お伺いする」「お伺いいたす」などを習慣として定着している例として挙げています。
ただし指針に「拝受」「頂戴」という語は出てこないため、定着例として名指しされているわけではありません。
実務では広く使われている形ですが、気になる場合は「拝受しました」「頂戴しました」で十分に丁寧です。
「ご査収ください」と「お受け取りください」はどう違いますか?
「査収」は調べたうえで受け取ることなので、確認を求める言い方です。
「お受け取りください」は受け取ることだけを求めています。
添付を確認してほしいなら「ご査収ください」、確認不要の参考資料なら
「ご参考までにお送りいたします」と書き分けると、相手の作業量が変わります。
受け取ったが、中身に不備があった場合はどう返しますか?
受領と不備を分けて書きます。
「5月14日付の納品分は受領いたしました。うち3個に外装の破損がございました」のように、
受け取った事実を先に確定させてから、不備の範囲を書いてください。
受領そのものを保留すると、支払や検収の手続きが止まり、双方に手間が増えます。
「〜と受け取られる」という意味の言い換えはありますか?
解釈のほうの意味であれば「〜と受け止められる」「〜と読まれる」に置き換えられます。
「催促と受け取られかねません」より「催促と読まれかねません」のほうが、
受領の意味と混ざらず、社内の文書レビューでも指摘の意図が伝わりやすくなります。
金銭を受け取ったときは何と書きますか?
入金であれば「入金を確認いたしました」と、確認した事実を書きます。
金額と入金日を併記すると、行き違いが起きません。
現金や商品券を手渡しで受け取った場合は「頂戴いたしました」が自然ですが、
社内規程で受領の可否が定められていることも多いため、返信の前に確認してください。
長くなったメールを短くする
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